虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 そして、隠し通路の扉を完全に閉じたのと同時に、先ほどまでいた部屋の方で激しい物音が響いた。

「王子はどこだ!」

 怒鳴り声と合わせて、ものを破壊する気配が振動となって伝わった。

 アルトリシアとティトはすぐに動けず、手を握り合って恐ろしい時間をひたすらに耐える。

「部屋にはいなかったんだろう? ほかにいそうな場所は?」

「わかりません。庭園にもいないようです!」

「さっきまでここにいたはずだ。探せ!」

 彼らが誰なのかはわからないが、ティトを探しているのは間違いない。

「アルティ、こっちだ」

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