虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 王都に魔獣が出たという話のすぐあとに、ティトを探す男たちが現れたのは偶然ではないだろう。

 すぐ背中を追われているような錯覚に陥り、アルトリシアの息はひどく荒くなった。

 やがて通路の終わりが見えた。入口と同じようにどこかの部屋と繋がっているようだ。

「ティト、この先がどこかわかるか?」

「えっと、えっと……」

「思い出せないなら無理しなくていい。今はすぐに思い浮かばないだろうしな」

 ルブは優しく言うと、自身が先頭になって出口の扉を開いた。



◇◇◇



 王都に突如現れた魔獣の対処を行うため、ゼノハルトとファイスは急ぎ足で外へ向かっていた。

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