虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
「どうぞ。君の技量に応えられるだけの馬ならいいんだけどね」

 鞍をつけた馬に飛びのったゼノハルトは、騎士とファイスを待たずに速度を速めた。

 魔獣が人を襲うのは子どもでも知っている。ゼノハルトも被害に遭った村や街を見てきたし、自身の治めるエクレル領でも討伐隊を指示した経験がある。

 しかし、だからこそ王族の住まう城と隣接した王都は万全の警備体制が整っていた。石造りの城壁も、精鋭の門番たちも、そしてかつてゼノハルトが聖騎士として率いた騎士団もいる。

 それだけの状態でなぜ、魔獣を八体も侵入させたのかがわからない。

「ゼン!」

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