虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 やや遅れてファイスが追いつく。国王というだけあって、賢そうな葦毛の馬にのっていた。

「私は北へ向かう。君も来てくれるか?」

「もとよりそのつもりだ」

 王都の各地に魔獣が現れたのなら、騎士団も分散している。最も被害の大きい場所に、腕の立つ自身が向かうのは当然だとゼノハルトは考えていた。

「お前は城にいた方がいいのではないのか」

「そういうわけにはいかない。私にしか動かせない兵がいるからね」

 私兵とも呼ぶべき国王直属の騎士たちだ。数多の兵から特に優秀な者たちを集めた精鋭部隊である。ゼノハルトも過去に推薦を受けたが、妻を亡くした時期と重なったために辞退していた。

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