虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 逃げ場はないと知りながらも狭い牢獄の中で後ずさる。

 しかし、予想に反してマイネスはアルトリシアへ微笑みかけた。

「そんなに怯えるんじゃない、アルトリシア。お前を迎えに来たんだよ」

「迎え……?」

「そうだ。伯爵からお前の話を聞いて、助けに来たんだ」

 こんなにも望んでいない助けがあるとは想像もしていなかった。マイネスの笑みは品がなく、この行為に裏があるのは間違いないと、怯えるアルトリシアにさえわかる。

「た……助けるなら、ティトも一緒じゃなきゃ嫌……」

「それは難しいな。そいつにはまだ利用価値がある」

 そいつ、というのが誰を差しているのか、一瞬理解できなかった。

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