虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 このときになって初めて、アルトリシアは王族が常に危険に身を置いているのだと知った。愚かな元父が話したおかげで、聡い彼女にはおおよその流れが掴めている。

 彼らはティトを暗殺しようとした。本性が魔獣だと知って予定を変更し、ファイスを弾劾するために利用するつもりだ。おそらくはこの国を乗っ取るために。

(そんなこと、させちゃいけない)

 ファイスはゼノハルトの友達だ。ならばアルトリシアはこの事実を大好きな父に伝えなければならない。危険に晒され続けているティトを守りながら。

「まあまあ、怖い話はいいじゃないか。そんな汚い場所からは早く出たいだろう?」

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