虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ＆もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい

　マイネスは手加減なしに殴った娘の肩を再び掴むと、怒りを込めて激しく揺さぶろうとする。しかしその前に、鎖に繋がれていたティトが勢いよくその腕に飛びついた。

「きゃん！　きゃん！」

「うるさい！」

　噛みつかれたマイネスは容赦なくティトを振り払った。子犬でしかない小さな身体が壁にぶつかり、ずるりと床に落ちる。

　動かなくなったティトには目もくれず、マイネスはアルトリシアの肩に指を食い込ませた。

「このままでは、神子を輩出した家として手に入れる予定だったなにもかもがすべて手に入らなくなるんだ！　お前さえうちに戻ってくれば、金も名誉も全部マイネスの家のものになる……！」