虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 幼い子どもをこんな場でも虐げる親の姿を、モーゼルは汚らわしいものを見るかのように目を向ける。だが、止めようとはしない。

「父親のために力を使うべきだと思わないのか!?」

 それを聞いたアルトリシアは無意識に笑みを浮かべていた。切れた唇から血が流れ、口もとを汚していく。

「パパのために使いたいよ。でも、私のパパはあなたじゃない」

 こんな状況にあってもまだ自身を否定するアルトリシアの言葉に、マイネスの頭の血管が切れた。

 再び彼女の身体は床に投げ出され、柔らかな腹部に彼の靴の先がめり込む。

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