虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 ゼノハルトはどんな話でも聞いてくれた。温かい食事を一緒においしいと食べてくれて、アルトリシアの好きなものを用意した。ぬいぐるみだって数え切れないほどあるし、魔石の扱い方を勉強したいと言ったときも否定せずに素晴らしい環境を整えてくれた。

 親に虐げられ、捨てられたアルトリシアを迷惑だと思ってもおかしくはなかったのに、彼は温かく包み込んで受け止めた。子どもは愛されるべきだと当然のように言って。

 だからアルトリシアは、幸せを教えてくれたゼノハルトを――父を大好きになった。

(私が泣いたら悲しいって言ってたのに。パパを悲しませちゃうのかなぁ……)

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