虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 こわごわ名前を呼んだアルトリシアの脳内に、再び声が落ちる。

『気を失ったお前を助けるためには、人間の手が必要でな。一番まともそうなとこを選んだつもりだが、俺たちが人前に出るのはいろいろと面倒だろ?』

『だから兄貴が指輪になればいいって。俺が右で兄貴が左の指輪な。声に出さなくても頭の中で話しかけてくれれば伝わるよ』

 なるほど、とよくわからないまま頭の中で返事をしてみる。

 彼らは獣から人へ姿を変える生きた石だ。こうして指輪になるのも不可能ではないということなのだろう。

(ここはどこ?)

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