虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
「早く帰ってこないかな。サフィにもありがとうって言わなきゃ」

「ああ、そうだな」

 アルトリシアは甘く淹れられた紅茶に手を伸ばした。たっぷりのジャムを溶かしたそれを口に含み、再び質問する。

「事件はどうなったの?」

「主犯のモーゼルは捕らえられた。コヌジオに逃亡するところを発見されてな」

 ゼノハルトが、一瞬だけ顔をしかめて足を組む。

「後日、裁判にかけられる予定だ。すべての関係者を洗い出せてはいないが、あの男には聞かねばならない話が多い」

「どうしてあんなことをしたのか、とか? 王様になりたいんだと思ってたけど……」

< 314 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop