虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
(きっとかっこよくてかわいいと思う!)

 またひとつ、アルトリシアの夢が増えた。ゼノハルトを守れるようなとびきり強いお守りを作るのだ。

(そのためには魔石の勉強をたくさんしなきゃ。祝福の与え方だって……)

 神子と呼ばれても戸惑うばかりだったが、こうなると特別な力がありがたい。

(私がパパを守るの。ううん、パパだけじゃなくてみんな!)

 アルトリシアはあの悲しい家から救い出され、幸せを知った。これからは教えてくれたすべての大好きな人たちのために生きたい。

 妙に燃える娘へ、ゼノハルトは温かい視線を送る。

 彼女が笑っていられるなら、どんなものでも差し出せるだろうと改めて思った。
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