虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
『せめてちゃんと狼になれてから言うべきだよなァ』

(ティトにそんなつもりはないと思うよ……?)

 彼は単純にアルトリシアと遊んでいたいだけだ。なにを誤解しているのだとふたりに伝えるも、彼女の後ろではゼノハルトも衝撃に固まっていた。

「ファイス、お前の息子は……」

「今のうちに婚約者として発表しておこうか?」

 ティトの言葉にファイスがのったせいで、ゼノハルトがさらに厳しい表情をする。

「本気ではないだろうな」

「ティトが望むならそれもいいと思うよ」

 ファイスは明言せずにゆるりとかわした。あながち冗談でもなさそうな態度である。

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