虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
『結婚相手候補に試験が必要なら、俺も手伝わねェとな』

『兄貴は容赦なくやるからだめだろ』

 ふたりは完全におもしろがっていた。

 まだ色恋など実感も経験もないアルトリシアは、呆れて彼らの声を遮断する。

「じゃあ、パパくらい強くなったら一緒にいてあげる」

 ティトは目を丸くして大きく頷いたが、彼の父は「それは難しいんじゃないか」と額に手を当てている。

 渋い顔をしていたゼノハルトはというと、アルトリシアのひと言に安堵したようだった。特別な力を持っているとは思わないが、多少の腕はあると自負している。ティトが自身に追いつくまではかなりの時間を要するだろう。

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