虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 ひたすらに恐ろしくて、足が痛むのも構わず歩みを速める。

 いったい自分がどこにいるのかもわからないまま歩いていたアルトリシアの耳に、ふと獣の咆哮が届いた。

 ぞわりと背中の毛が逆立つ。声は反響していたが、それほど遠くないように感じられた。

(魔獣がいる)

 そう思った瞬間、転がるようにその場を走り出していた。

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