俺、あなたのリアコです!3
「party×partyは六人の歌だから、ちょうどいいな!」

カタリーナが俺たちにマイクを渡し、春燕が「誰がどのパート歌う?」と楽しげに訊く。

少し話し合って、ミクを琴葉ちゃん、リンを春燕が、ルカをカタリーナが、メイコを英玲奈ちゃんが、カイトをマーガレットが、レンを俺が担当することになった。

パートを決め終わり、曲を入れようとした刹那、俺の服の袖が軽く引かれる。俺が振り向けばジッと琴葉ちゃんが俺を見上げていた。その申し訳なさそうな目も可愛くて、ドキッと胸が高鳴ってしまう。

「月斗さん、何度もコラボを誘ってくれているのに、断ってばかりですみません……。どうしてもお互いに炎上したくないんです……」

今にも泣いてしまいそうなその顔に、俺は優しく琴葉ちゃんの頭に触れる。

「気にしないで。女の子歌い手ならコラボを男から誘われたらそう考えちゃうよ。今日は、こうしてカラオケで歌うだけでいいから」
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