君との恋の物語-Obverse-
ああ言う雰囲気で会話を終えてしまうと、とっても後味悪い‥。
バイバイする前にぎゅーってしてもらえばよかった‥。
私は、時々怖くなる。君のことを好きになればなるほど、君が私を助けてくれればくれるほど、自分が弱くなっていってる気がする‥。そのうち、君がいないと生きていけなくなるんじゃないかって‥。そうやって私が不安定になってしまったら‥君が‥私のこと嫌いになるんじゃないかって‥。それで君がいなくなってしまったら‥私は‥。
「!」
突然携帯が鳴ってびっくりした。
画面見てさらにびっくり。
『もしもし』
「‥もしもし」
君の声、やっぱり暗い‥?
『あ、さっき、電話しようって言ってたから、かけてみた。今、大丈夫?』
うん。大丈夫。っていうか、むしろベストタイミングというか‥。
「うん。大丈夫だよ。」
『なんか、話あった?』
うん、なんだっけ?
あぁ‥
「いや、前田君達との話。進んでないみたいだけど、なんかあったの?」
直球すぎかなぁ‥でも直球でいかないと話してくれない気がしたから。
『あぁ、あの話さ、やっぱりやめない??』
え?
「どうして?」
『いや、やっぱり、俺らは付き合ってるからいいけど、前田と、厨二さんは、ほぼ初対面なわけでしょ?それで、話なんてできるのかなって‥』
それは前にも話したはず。
「だから、そこは厨二がうまく自分からいくって言うことで‥」
『それは厨二さんが勝手に言ってるだけでしょ?』
ちょっと強目に、しかも私の言葉さえぎっていう。こんなの初めて‥どうして?
『前田はさ、ちょっと‥シャイなとこあるからさ‥。』
嘘。初耳だし、私が見ている限りそんなことはなさそうだけど‥。ひょっとして‥。
「あの‥違ってたらごめんなんだけど、君は、厨二があんまり好きじゃないの‥?」
『え?なんで?』
なんでって‥
「いや、私が見ている限り、前田君ってそんなにシャイでもなさそうだしっていうかむしろ、修学旅行の時に厨二と話してるとこ見たけど、結構いい感じだったから、そんなに初対面っていう感じでもなさそうだなって‥思うんだけど‥」
なんか日本語変になっちゃった‥。ちなみに厨二っていうのは私の友達のあだ名です。本名じゃないです。
『‥』
あれ?
「ねぇ」
『え?』
ちょっと
「聞いてる?」
『聞いてるよ。木村結の曲』
はい‥?
「どういうこと?」
『それはこっちのセリフだけど‥』
怖い‥なんか君の声が怖いでも聞かなきゃ
「‥なにが?」
『前田君はって随分詳しいんだなぁと思って』
え?なに?どういうこと?
「どういうこと?」
『そのままの意味。もう話すことないなら俺は木村さんの歌聞きたいんだけど。』
あのねぇ。
「ちょっとなんなの?元々2人で始めた話だったのに全然進んでないし、口を開けば木村結ってそればっかりだし‥。ちゃんと話す気ないならなんで電話してきたの?」
違う‥そこまで言うつもりはなかった。けど私の勢いは止まらない‥。止められない。
「厨二は私の大事な友達で、それは君もわかってくれたじゃない?だから前田君とのことにも協力したいって、私の友達のことなら協力したいって言ってくれたのに‥どうして?最初から嫌だったの‥?本当は最初から嫌だったの?」
あぁ、私自分のこういうところ‥嫌い‥。自分の中にある疑問が解決できなくなると、とにかく人にぶつけちゃうんだ‥。ごめんなさい‥。
『‥ない』
え?
「ごめん、聞こえなかった。なぁに?」
『そうじゃないけど‥今はあんまり乗り気じゃない。』
「どうして?」
『それは言いたくない。言ったら‥よくないと思う。』
どうしたんだろ‥このまま殻にこもっちゃいそう‥。嫌だ、私はそんなの嫌。そろそろ私も入れてよ。
「言ってよ。ちゃんと聞くから。」
『今日はやめよう。言うなら会って言いたい。』
そうか‥言う気がないわけじゃないんだ。
「わかった。ごめん、私のわがままで‥。
『いや、いいんだ、俺が悪い。』
そうじゃないけど‥
「ごめん、わがままついでだけど、私このまま電話切りたくない‥もう少し話さない?」
断るかな‥
『うん、いいよ。なに話そっか?』
断られなかったのはよかったけど、話題には困っちゃうな‥そうだ!
「聞きたかったんだけど、君が告白してくれた日、あるじゃない?あれ、どうしてあの日だったの?」
『どうしてって‥』
「だって、あの日誘ったのは私じゃない?だから、あの日私が誘わなかったら、どうなってたのかなって」いう素朴な疑問なんだけどなんだこの異様に冷たい空気‥。
『どういう意味?』
いやだからそのままの
『俺はあの時期、いつさぎりに言おうかずっと考えていたよ。さぎりが誘ってくれたけど、話を強引に進めたのは俺でしょ?俺こそ聞きたいよ。俺が告白しなかったら俺達は付き合うことはなかったのか?って』
あぁ、だめだ‥。今日はもうなにも話さない方がいいんだ‥。ごめんなさい。
「ごめん、そんなに深い意味はなかったんだけど‥今日はもう、話すのやめよっか‥」
話したいって言ってほしいけど、なに話していいかわからない‥。
『ごめん。俺も言いすぎた。ちょっと冷静になれなくて‥。今度ちゃんと話そう。』
今度?今度っていつ?待って‥っていいたいけど、言えない‥。
「うん。おやすみなさい。」
『おやすみ』
その日‥付き合ってから初めて、私は泣いた。