野球とソフトボール
「え?なっ、何?」
うまく聞き取れなかった私は、やっと声を出すことができた。
バッと顔を上げた徳永くんは、強く、真剣な眼差しで私を見つめた。
絡まる視線に既視感を感じたが、今度は逸らすことができない。
逃げてはいけないと、感情よりも本能が訴えていた。
「ーーー俺、春日が、好きだ」
しっかりと私に聞こえるように。
はっきりと、私に自覚させるために。
徳永くんは、わざと一言ずつ区切って言ったのだと分かった。
理解が追いつかない私に、彼は更に言い募った。
「ソフトに一生懸命で努力家で、俺のアドバイスを素直に聞いて、友達思いで……
ああ、もう!上手く言えないけど!
とにかく、そんなお前が、好きなんだ‼︎」
そう言った彼の顔は、あの日の夕焼けのように赤かったーーー