野球とソフトボール
車窓を流れる景色を見ながら、家までの道のりを自転車で走りながら、中々治まらない動悸を落ち着かせるように何度も深呼吸した。
ダメ、きっと一番なっちゃいけない状態。
『そういうの』じゃないから、徳永くんは私の相手をしてくれているのに。
一生懸命にソフトボール頑張ってるから、助けてくれているだけなのに。
勘違いしちゃダメだ。
違う、絶対にそうじゃない。
私の中で突然荒れ狂った嵐に、全力で蓋をする。
——とにかく、今は明日の練習試合だ。
配球の組み立てを考えないと。
思考を切り替える努力をしたけど、ちゃんと練習試合対策もしたけど。
……その夜、私は中々寝付くことが出来なかったーーー