野球とソフトボール




ーー次の日の練習試合は、何とか乗り切ることができた。
スイッチが入ると集中できるのは、今は特に有難い性質だ。



でも、家に帰って反動が来た。
お風呂に入ってベッドに倒れ込むと、起き上がることができない。

そして思い出す、昨日の感覚。
ーー残念ながら、1日経ってもまだ鮮明に残っていた。

絶対に、彼に知られてはならない。
彼にドキドキしたなんて。

『恋愛的な意味で見てない』って宣言したんだもの。
そんなの、約束を破るようなものだ。


幸い、私の質問に彼が答えてくれる形で話をしている。
つまり、私が話しかけなければ、あまり関わらなくて済むのだ。
関わらなければ、バレないはずだ。


よし、それで行こう。
それが、一番良い。

明日から、不自然にならないように、離れていこう。
もう3ヶ月もしないうちに引退だし、そうしたら野球とソフトボールの話をする必要のない私達は、自然と距離ができる。

彼が自分に好意を持つ女の子達に辟易してるのは、私が一番よく分かってるじゃない。
そういう『女の子』の1人には、なりたくない。

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