結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜
えっ?シャンプー台?どうしよう。
私はシャンプー台に移り、どうか、何も起こりませんようにと祈った。
そして、背もたれが倒され彼の顔が急接近した。

「今日は目を閉じないの?」

「だって大和さんキスするから」

「もしかして期待してる?」

「してません」

次の瞬間、彼の顔が近づいてきた、私は反射的に目を閉じてしまった。
彼の唇が私の唇に触れた、そして彼の舌が入り込んできた、嘘!
呼吸出来ない、彼の手が腰に回された、嫌じゃないから抵抗出来ない。
また、彼のキスを受け入れてしまった。

「凛、この後ご飯行こう」

「でも約束が……」

「断ればいいじゃん」

この時私は彼の誘いを断ることが出来なかった、既に彼にハートを射抜かれていた。

カラーが仕上がり、チェックしていると、

「彼に断りの連絡しなくていいの?」

「だ、大丈夫です」

「ならいいけど……」

彼はまるで私の嘘を見抜いているかのような不適な笑みを浮かべた。

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