結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜
「俺、これでも一途だよ、凛だけ見るから」

「五年経ったら二十代の可愛い女の子の方が良くなります」

「そんな事ないよ、凛は可愛いよ」

私は顔が真っ赤になるのを感じて俯いた。
そんな事言われた事ないから恥ずかしい。

「お腹空いたな、飯食いに行こう?」

ああ、ご飯食べにいく事になっちゃった、菜々美に怒られる。

「凛は何が好き?」

「好き嫌いは無いです」

やだ、私何答えちゃってるのよ。意志の弱さに自己嫌悪だあ。

「じゃあ、イタリアンでいい?」

私は黙って頷いた。

「そんなに俺と食事嫌なの?」

「えっ?あっ、そんな事ありません、ありませんけど……」

「ありませんけど何?」

私はどう答えていいかわからなかった。
それから、イタリアンレストランで食事をした、彼は仕事の事、祐くんのエピソードなど色々話してくれた。
楽しかった、あっと言う間に時間が過ぎて、車で送って貰った。

「今日はご馳走様でした」

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