どうすれば良いの?
莉子はビクッ! っとなったが、花音が莉子の手をぎゅーと握り頷いた。
怖かったが、莉子も頷き電話に出た。
莉子
「はい…」
航平
「莉子!! 今どこ? 会って話したいんだ!」
莉子
「東京です。
会うと吐きそうになるので 今この電話で説明して下さい。」
航平
「り…こ。 今朝の女の人は莉子と付き合う前に付き合ってた元カノなんだ。」
莉子
「元カノ…… 地元の人でしたよね……」
航平
「ああ。5月にたまたまお店にお客様として来店した時に彼女が仙台に転勤になったって知ったんだけど、6月に一度だけ飯を食いに行って…
昨日は、飯の後にバーにも行って酔っ払って…
それで…
実は……彼女は婚約者に浮気されて婚約破棄して仙台へ転勤してきたから…
愚痴聞いてやってたんだ。」
莉子
「その人は、自分がされて悲しかった事を自分も私にしたんですね……
じゃあ、元サヤという事で、バッチリですね。
邪魔者は消えますので、お幸せに……」
航平
「莉子!待って! 莉子!」
莉子
「あ!忘れてた! 私の部屋の鍵は捨てて下さい。ドアの鍵を取り替えますので。
今まで、お世話になりました。お元気で……」
航平
「莉子! 確かに俺はアイツと寝た。
でも何の感情もないんだよ!
アイツだってそうなんだ! わかってくれよ!」
莉子
「そうなんだ。わかった。」
航平
「ありがとう!莉子。」
莉子
「勘違いしないで!
航平さんが何の感情もない知り合いの女性とSEXしても平気なんだってわかったの!
航平さんはもし私が知らないままなら、元カノさんと同じ事をし続けていたのかな?
今朝あの部屋を見てしまったからには、何も無かったように付き合うのは無理……
航平さんだってわかっているんでしょ?
航平さんは私より元カノさんが好きなんだよ。
夏休みに遊びに行った時航平さんの様子は変だった……
元カノさんの方が気になるんでしょう?
もう、私達終わりにしよう?」
航平
「莉子…… もう、ダメなのか? オレ達…」
莉子
「航平さん、自分じゃわからない?
航平さんの心の中の比重は元カノさんと私では、元カノさんの方が重いのよ。
今、私に義理立てして元カノさんと切れたとしても 私の心は傷だらけだと思うから…
だから、航平さん… さようなら…」
航平
「莉子… 本当に傷ついてゴメン。
莉子と結婚しようと思ってたのは本当だから」
莉子
「………私も…平凡でも、温かい家庭を航平さんと作りたかったよ…… じゃあ」
航平
「本当にゴメン。 じゃあ」 ピッ!
私と航平さんは、呆気なく別れた。
でも、全部言いたい事は言えたと思う。
また、涙が出てきた……