どうすれば良いの?
担当医の先生とも話しをし入院は3週間。
その後通院となった。

お母さんは毎日病院にきて洗濯物を持ち帰り、また持って来てくれるし話し相手になってくれる。

凌さんも毎日のようにお見舞いに来てくれるからウチのお母さんとも仲良くなっていた。
特に札幌の話しで盛り上がっている。


「じゃあ、お母さんとお父さんの出会いはバイト先だったんですね!」


「うん。そうなのよ〜 まさか結婚するとは思わなかったわ〜 ふふふ。
凌くんのおウチはお寿司屋さんでしょう。
アルバイトとかしたの?」


「いいえ。兄は皿洗いとかしたみたいですが、俺は高校の在学中にモデル事務所にスカウトされて東京に撮影したりしてたので…」

莉子
「凌さんは、夏休みとか富良野のお爺ちゃんお婆ちゃんのおウチでお手伝いしたんでしょう?」


「ああ、爺ちゃんちの畑の作物の収穫の手伝いと、ほんの3、4日 ラベンダー畑の刈り取り作業を爺ちゃんと婆ちゃんに連れてかれたんだわ。

手伝いをすると休憩時間にメロンが食べれるから、
それだけが楽しみだったなぁ〜ハハハ!」


莉子
「私は家族旅行で富良野へ行った時、刈り取り作業していた男の子が調香室に連れて行ってくれて、
そこで調香師さんから渡されたリトマス紙の香りに雷に打たれたくらいの衝撃で、調香師を目指すきっかけになったんだ〜」


「それ… 俺かも…… 一度だけ女の子を香水の実験室に連れて行った事があって……
でも、爺ちゃんと婆ちゃんに作業着でお客さんが見学する方へ行ったからスゲェ〜叱られてさ、
もしかしたら、莉子だったかもな?」

莉子
「え!!! そんな偶然……」


「きゃあ〜 運命の出逢いみたい〜!」

莉子は、もしあの男の子が凌さんなら本当に運命の人なのかな? と思った。
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