どうすれば良いの?
莉子
「花音さん、私は、ああいうお店で働きたいです」

花音
「やっぱりかぁ〜、凄くイキイキしながら質問してたから莉子ちゃんはお店を気に入ってるんだなって、わかったよ〜!」

莉子
「でも…、凌さんは 2年契約だから…
あと1年半くらいしかパリにいないし〜」

花音
「莉子ちゃん。学校を休学してパリの語学学校に通いながら、バイト代タダでその代わり調香師の勉強をさせてもらうとかは?」

莉子
「私、浪人もしてるからこれ以上親に経済的に頼れないんです。
弟も大学受験が、あるし〜」

花音
「そうかぁ〜」

莉子
「でもあのお店…雰囲気も香水もあの老夫婦も、孫娘さんも全て気に入ってしまいました! ハァ〜」

花音
「この前、萌さんってル トレッフルのシェフになった方がね、 
パリでどうしても一人前のシェフになりたくて日本でフランス語教室に通って、
昼間は会社の社員食堂で働いて夜は居酒屋でも働いてお金を貯めてたらしいの。

パリのレストランやシェフの知り合いもいなかったけど、諦めないで頑張ってたらご主人と出会って…
ご主人がル トレッフルのオーナーさんに頼んでくれて萌さんは、見習いシェフになれたんだって!
そしてもの凄く努力してシェフになったんだって! 
だから莉子ちゃんも何年かかっても諦めない方がいいよ!」

莉子
「萌さんは、本当に信念をつらぬいたんですね。」

花音
「うん! でもね〜 萌さんが言ってた言葉が印象的だったんだ〜
"コックの代わりはいるけど、妻や母親の代わりはいないから、今は、赤ちゃんや家族の為に過ごすのよ!"って言ってた…」
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