篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
瑞季とちひろに励まされた時に、
幼なじみでよかったと心から思った。
お前らがいなかったら、とっくに心が折れてたよ……ありがとな。
もう今更後に引けないから、観念して高校受験だけは頑張ることを決めで猛勉強した。
___そして、中学3年の3月。
今まで色んなことを我慢して頑張った自分を信じ、受験に挑んだけど……結果は不合格。
第一志望の星彩高校は全国のトップに入るほどの難関校。
ほとんどを勉強時間に費やして、
全力を尽くしたはずだったのにな。
親父は俺に失望して、出来損ないのレッテルを貼り付け、一切興味を持たなくなったんだ。
兄貴にだけ期待するようになった。
これが見放された理由って訳。
……俺って今まで何をやってたんだろうか。
こんなことになるなら、家出してでも反抗した方がマシだった自嘲する。
春から滑り止めの青松高校に入学したけど、すべてにやる気をなくした俺は優等生を演じる裏で適当に女遊びをするようになっていった。
どうせ、俺の見た目しか見てないから別にいいだろ?
真剣に付き合うより、後腐れない関係の方がちょうどいいと思うんだけど。
自暴自棄な俺に光を与えてくれたのが、
倉科だった。