篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
*微炭酸スパークリングレモン



「天音、さっきの見たよ!
何あれ、すごい騒ぎだったね!?」

「あはは……」


教室に入ってきた綾羽が、
興奮気味に今朝の話題を口にした。


やっぱりあれだけ騒いでたら、見られるよね……苦笑することしかできないや。


「この前まで、篠宮に話しかけるのすら恥ずかしくて無理!って言ってたのに、いつの間に仲良くなったの!?しかも、好きって言われるし。
あたし、全然聞いてないんだけど?詳しく聞かせて!!」


綾羽は机にカバンを置いてすぐ、椅子を私の席に移動しずいっと迫ってくる。

うわぁ、そこまで聞かれてるなら言い逃れできない。

今まで綾羽には篠宮くんのことを言ってなかったけど、ついに話す時が来た。


「これから話すから、大きな声出さないで聞いてね。それと、私と綾羽だけのヒミツにして欲しいの」

「わかった、約束する」


綾羽が頷いたのを見て、こっそり耳打ちで伝える。

篠宮くんと関わるようになったきっかけ、
実は篠宮くんは女遊びが激しかったこと、
付き合ってないけどキスするだけの関係を続けていたこと、それをやめようって言ったら告白されたことを全部話した。


「ふーん……ぶつかって事故チューしてから仲良くなるって、少女マンガみたいなことほんとにあるんだ?」

「私もそう思うよ」


< 112 / 180 >

この作品をシェア

pagetop