篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
ちょうど予鈴のチャイムが鳴り、「じゃ、また後でね」と綾羽が自分の席に戻っていく。
担任が教卓の前に立つのを見て、賑やかだった教室は静かになっていきみんなが次々と席に座り始めた。
私は1番後ろなんだけど、前の方の席に座ろうとする篠宮くんと偶然目が合う。
告白の返事を待ってると言いたげにじっと熱い視線を送られ、ドキッとした。
そんなに穴があくほど見つめられたら……私だって意識しちゃうよ。
同時に、あの雨の日での出来事を鮮明に思い出してしまう。
自分の唇を奪った薄い唇の感覚と、
押し倒された時に男の子なんだって分からせられる力の強さ
それに目を細めて、甘く蕩けた声で『好き』って告白されて……はぁ、ヤバい。頭ん中がパンク寸前だ。
またまた顔が赤くなるし心臓がバクバクしすぎて、先生の話に全然集中できない!
頭を横に振って雑念を振り払おうとしても、なかなか離れてくれなくて困る。
こんなに篠宮くんのことばっかり考えてるから、きっと私も好き、なんだ。