篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
……分かってねぇな。
あんたらは知らないんだろ?
お人好しで、すぐ顔真っ赤にする初心なとこ
花が咲いたような笑顔
キスした後の蕩けたえっろい顔
リップ塗ってるだけなのに、
やわらかくて癖になる唇
当然、知るわけねぇよな?
倉科のかわいいとこは、
俺だけが知っていればいい。
それにしても……
「アイツさぁ……ちょっと無防備すぎじゃね?」
なんの前触れもなくボソッと呟いたら、
隣にいた瑞季がすぐ反応する。
「急に何だよ。アイツって誰?」
そういえば、瑞季の奴ダンスが始まる前に知らない女子からライン交換しよ、とかデート行こって誘われてたような。
俺はもうそーいうことしないって決めたから、誘われても断ってる。
「倉科だよ倉科。愛想いいのは分かんだけど、ニコニコしすぎだろ。かわいいっつーの」