篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



そんな思わせぶりなこと言ったら、私みたいな恋愛経験ゼロの平凡女子は勘違いしちゃうよ……?

顔を真っ赤にせずにはいられない。

これだからイケメンは……色んな人に言ってるに決まってる、うん。



「……篠宮くん、絶対嫌な思いしたよね?」


「俺は嫌じゃなかったよ。倉科こそ嫌じゃなかった?」

「嫌なわけないよっ!!」


何故か大声を出して、椅子から立ち上がった。

ちょっと、篠宮くんビックリしてるじゃない!


……私、前から篠宮くんともっと話してみたいって思ってたんだよね。

でも、今まで話しかける勇気が出なくて全然話せてなったのが、キスをきっかけにこうして初めて会話ができてるのはある意味願ったり叶ったりなんじゃないかと思うんだ。


篠宮くんは嫌でも、私が嫌がるなんて贅沢過ぎてファンや同じ片想いしてる子に申し訳ない!!


「それなら良かった」


クスッと小さく笑う姿さえも美しくて、いつかイケメンの過剰摂取で倒れそう……


篠宮くんは改めて座り直すと、恥ずかしげながらもどこか好奇心を宿していた目で私を見た。


「なぁ、聞きたいんだけど……」

「え、うん。どうしたの…?」


「女子の唇って、甘いもんなの?」

「へっ!?」


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