篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



自業自得だって分かってても、どうしても泣きつかずにはいられない。


「天音の親って塾のセンセーだよね。成績に厳しかったっけ?」


「ううん、そこまで厳しくないよ。私が頭良くないの知ってるから、平均点は取れるようにしなさいって言われてるの。でも、赤点取ったのは初めてだから絶対怒られる~~!」


うわーん!って綾羽に縋りついたら、よしよしと優しく頭を撫でられた。

綾羽セラピー最高。


「隠してたってどうせバレるんだから、次は頑張るから許して!って正直に言うしかないんじゃない?」

……そうだよ、観念するしかない。


綾羽が前髪を横に流しながら、明るい笑顔で励ましてくれる。


「でもさ、数学以外は平均取れてるからそこは褒められるべきだよ!よく頑張ったね、えらい!」


あ、綾羽……!好き!!

若干子供扱いされてる気がするけど、気のせいだと思っておこう。


その日の夜、仕事から帰ってきた両親に恐る恐るテストを見せた。


「塾以外で全然勉強してなかったもんね」とチクチク言われた後、

「毎日予習復習しなさい、積み重ねが大事」と注意され、頷いて話は終わったからなんだか拍子抜け。


怒られなかっただけマシだけど……最後に「次の中間テストも赤点だったら、何かしら対策を考える」って言ってたから、真面目にやらないとヤバい!!


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