篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



サッカーやバスケみたいな運動部もカッコいいけど、書道もその人の性格が表れるから好き。


「あ、それ今日の小テストのやつ?」


佐野くんが机に手を置いて、じっとプリントを覗き込んできた。

わっ……近くない!?


そういえば、クラスの女子達に結構スキンシップされても嫌がってなかったような……距離が近いのもモテる理由なんだね。

優しい柔軟剤の香りがふわっと広がる。


「うん、問6と問7で行き詰まってて……答え分かる?」

「問6がy=2x-2、問7がy=-3x-1だったっけ」


「ありがとう!助かるよ!」


「おい瑞季、それじゃ倉科の為にならないだろ。ちゃんと教えてやれ」

「俺は教えるの苦手。慧が教えてやれば?」

「えっ……」


私は慌てて首を横に振った。


そんな、篠宮くん直々に教えてもらうとか申し訳ない!!

もし誰かに見られたら、間違いなく学校中の女子に目の敵にされる。

何より私が身の程を知れって感じだし、これから部活なのに悪いよ。……願望はあるけど!


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