篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
篠宮くんは誠実だったらいいな、なんて思い込んでたけど、聞く限りでは結構遊んでるっぽい。
こんなにカッコよかったら、女の子選び放題だもんね。可愛い子とキスしたいってのも、普通の事。
勝手に私が期待してただけなのは知ってる。
でも、いざ思い知らされると悲しいな。
「倉科……」
「あれ、ショックだった?なんか、夢壊しちゃってごめんな?俺らが思ってたのと違ったって言うやつ、多いんだよ」
ほんと、見た目とのギャップがすごくて戸惑うしかない。
「キスなんて慣れればどうってことないって。
だからさ、俺が練習相手になってあげる」
そう言って、再び顔を近づけて来ようとする。
いや、今の流れでしようとは思えないから!まだ諦めてなかったの?
肩を掴んで引き剥がそうとしても、全然動いてくれない。佐野くん、華奢に見えるけどやっぱり力は強い。
「慧とはしたのに、俺は嫌?
俺もそれなりに上手い思ってるんだけど」
「そうじゃなくて!もっと可愛い子周りにいるんだから、私じゃなくてもいいでしょ!?」
すると、何人もの女子を虜にしたキラキラな笑顔で、顎に手を添えられる。