篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



うぶな私をからかってる割には、真剣だった気がするんだよね。



最初は心臓が壊れるんじゃないかってと思うほどドキドキしていたけど、流石に回数を重ねれば慣れるかなと思ってた。


でも、ぜんっぜんそんなことない!


毎回私だけ息切れして、篠宮くんは涼しげな顔でいるの。


早く鼻で呼吸できるようになって、私も余裕たっぷりで「えっ、もうそれで終わり?」って言い返したいな。

ていうか、そもそもこの関係自体がおかしいんだよ。



私が考え事をしてると、篠宮くんが自分の唇をペロリと舌で軽く舐めた。

その仕草だけで色気があってかっこいいから、ほんと得してる。


「ん?リップクリームの味変わった……?
なんか、今日はパインの味がする」


「たまたまパインアメのリップ塗ってたからだと思うよ」


そう、たまたま!新しいリップクリーム買った時に目に付いたから買っただけ。

篠宮くんとキスするからって、意識して買ったんじゃないからね!!

どんな反応するかな?って密かに期待してたとかはありえないから!


「へぇ、この間ははちみつだったし甘いの好きなんだ?」


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