篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
篠宮くんの顔は何回も見てるはずなのに、未だに慣れない。
ていうか、いつも距離が近いんだよ!油断してたら、肩が触れそうなくらいまでくっついてくる。
多分、男女関係なくこんな感じなんだと思う。
そりゃ、私のこと好きなのかもって勘違いする女子も多いはずだよ。
篠宮くんも佐野くんもパーソナルスペースが狭いのに、不思議と嫌だとは思わないんだよね。
顔が赤いのバレるから、なるべく離れて欲しいんだけど……!
大袈裟なくらい大きく心臓が跳ねている私のことなんてお構いなしに、優しく押し当てられたリップが唇の形をなぞるようにゆっくりと動いていき、まっすぐこちらを見つめる篠宮くんの視線と交わる。
ほのかに香るパインアメの香りに、くらくらするような錯覚を覚えた。
ああ、もう私は篠宮くんに堕ちてるのかな。
だって、こんなにドキドキしてるから。
色々と頭の中で考えを巡らせてるうちに、唇からリップの先端が離れていった。
キャップをしてから私へとリップを返した諸伏くんは……そのまま私の頬に手を添える。