篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。




私が離れないのを確認すると、篠宮くんはようやく腕を離して解放した。

ほんとにもう、キスといい密着してくるといい、私って彼女だったのかなって錯覚しちゃうようなことばかりで翻弄してくるから困る。



今は私たち以外に人がいないからよかったけど……


「私と篠宮くんが付き合ってるなんて噂を流されてもいいの?」

「いいよ、倉科なら」

「っ!?」


軽い気持ちで聞いてみると、間髪入れずにサラッと言ってのけた篠宮くんに驚愕して目を丸くした。


それって私のこと好きってこと……?

だったら、今までキスをせがんできた理由が分かる。

今の台詞は、誰だって自惚れてしまうよ。



私は篠宮くんのこと、どうなんだろう。

てっきり爽やかで誠実な王子様だと思っていたのが、女遊びが激しいってことが分かった時はショックだった。

関わらないでおこうと決めたけど、結局キスフレンドの関係は続いてるし、それも嫌だと思わない。


篠宮くんが好きなのかな。

まだはっきりとはわかんないや。



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