篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



「彼氏じゃないって!」

「でも、家に連れてくるってことは仲良いんでしょ?」


「そう……なのかな?」

「なんで自信なさげなんだよ。普通に仲いいだろ」


確かに仲はよくなったと思う。


少し前まで、全然接点がなくて遠くから見つめる事しかできなかったから。

今は友達以上恋人未満ってとこかな。



「濡れたまま帰ったら風邪引くかもしれないでしょ?だから、うちで服を乾かしてから帰った方がいいと思ったの」

「あー、そういうことだったんだ」


「突然ごめんな。少しだけお邪魔します」


「えっ?わ、私は大丈夫ですっ!
結音も多分平気だと思います」


篠宮くんに声を掛けられてビックリしたのか、
私の背中に隠れちゃった。


人のこと言えないけど、心音は大人しい子で中学でも友達以外は人見知りしてしまうんだって。

初々しくて可愛いよね。


すると、キッチンの方から結音の大声が聞こえた。


「ねーちゃん!腹減ったからカレー温めて食っていい?」

「もうそんな時間だっけ?」


スマホで時間を確認すると、夜の7時前。

そろそろ晩ご飯の時間か。

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