篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
タオルを受け取ると、ようやく濡れた髪をタオルで優しくポンポンと拭いた。
「倉科って世話好きな方?」
「長女だからどっちかと言うと好きだよ。妹と弟を優先して、自分の事は後回しにしがちだと思う」
「あー、そんな気がしてた。
あと、純粋で騙されやすそうな感じがする」
「え、そうかな?」
「そういう所も倉科の良さだと思うけど」
「ありがと……んっ!?」
篠宮くんはさりげなく私に近づくと、
唇にチュッと口づけを落とす。
咄嗟に離れて口元を手で覆う私に、
してやったりみたいな顔な篠宮くん。
しまった、完全に油断してた!!
「こうやってキスしただけで、
すぐ顔が赤くなるところもな」
「……っ!もうっ!不意打ちはやめてよ!
妹たちが見てなかったからよかったけど、なんで今したの!?」
家まで送ったお礼とか?