【完結】最高糖度のキミが好き
恐る恐る包みを開くと、中に入っていたのは丸みを帯びた黒革のペンケースだった。チャックのところにはラインストーンが花の形にあしらわれていて、向きによって色を変えている。ステンドグラスみたいでとても綺麗だ。
「似合うなあって思ったんだ。よければ貰ってよ」
「ありがとう、日野く――」
お礼を言いかけると同時に、彼は突然はっとした表情を見せた。そして「ああ……」と申し訳なさそうに顔を歪める。
「……ごめん。元々使ってる奴……あるよね?」
「ううん、実は今日ペンケース壊しちゃってて。っていうか壊れてなくても大切にするよ……でも、いいの? 私が貰っちゃって」