【完結】最高糖度のキミが好き
先程とは違う、試すような声に言葉が詰まった。日野くんは「その時は俺の言うこと、一つ聞いてくれる?」と問いかけてくる。
「なんでも、俺の言うこと一個だけでいいから聞いて。そしたら、俺、大丈夫だから」
「うん。分かった。そうする」
「……言ったね」
口角を上げながら彼は私の肩から顔を上げた。心なしか胡乱で、一切の光を遮断したような瞳にも見える。子供っぽさも、大人っぽさもない無機質な感じに、私は不安になった。