【完結】最高糖度のキミが好き
まとまらない思考をただただ巡らせていると、ふいにベッドのスプリングが軋んだ。
日野くんがどうやら動いたらしい。寝返りではないようだからお手洗いだろう。目を開いて驚かせてもいけないしぎゅっと目を閉じると、何故か私の体の腰の辺り……それも両側に何かが深く沈み込んだ。
……心なしか人の熱を感じる。
いつの間にか何かが沈み込む感触は、私の耳の横……それもまた両側に追加された。
もしかして、日野くんのいない間に誰かが入ってきて、私に馬乗りになっているのでは……?
でも扉を開く音なんてしなかった。ならばこれは地縛霊とか心霊現象では……?
神社は好きじゃない同士というか私の一方的な片思い状態で行ってしまったし、何か良くないことがあったのでは……。だとしたら日野くんに危険を知らせないと、彼の身も危ない。
恐る恐る目を開くと徐々に夜目が慣れてきて、私に覆い被さる人影の輪郭がはっきりしてくる。やがて鮮明に見えてきたその人の顔を見て、私は絶句した。
「な、なんでひ、日野くん……?」
「なんだ。まだ寝てなかったんだ。やっぱりまた薬飲ませておくべきだったな」