【完結】最高糖度のキミが好き
「じゃあ五十嵐さんの好きな人って俺なの?」
「う、うん」
矢継ぎ早に質問をされ、パニックになりながら答える。どうしよう。答えちゃいけないことまで答えたりしてないよね……?
「否定するなら、今だよ。俺のこと好きじゃなくて助かりたくてそう言っているなら、否定して。今正直に言ったら、今日何もしないであげるよ」
日野くんは目を見開き瞬きもしないままに顔を近付けてきた。
「だっ、でっ、あっ、日野くんた、宅配で嫌な目に遭って、ご両親のこととか色々あって、こ、こっちが想像できないくらい辛い目に遭ってるのに、私が好きなんて言ったら日野くんご飯食べれなくなって死んじゃうと思って……」
とうとう鼻先が触れそうになって私は「日野くんが好きですっ」と助けを求めるように声を上げる。すると彼はぱっと私から顔を離して、やや呆然としながら「そっか……」と呟いた。
「俺があの時言いたかったのは、五十嵐さん以外から欲しいって思われるのは全部気持ち悪くて、それくらい五十嵐さんが好きってことだったんだけど……。じゃあその前から俺のこと好きだったの?」
「うん……」
日野くんは、私以外から欲しいと思われるのが気持ち悪くて、私は例外だったのか……。