【完結】最高糖度のキミが好き


 っていうかなんなんだろう。昨日、彼がマフィンを食べたときのあの顔は。悲願を達成したみたいな、心から嬉しそうな表情だった。菓子パンは無感動な、ただ手と口を動かしているだけの感じだったのに……。あの菓子パンが好きじゃなかったのかな。お箸をただ握っていると、不意に足元に横から影が伸びて来た。



 顔を上げていくと、そこにはすらりとしたモデルみたいな人――日野くんが立っていた。太陽の光を受ける髪はさらさらで、少し茶色がかった瞳が私を見下ろしている。


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