【完結】最高糖度のキミが好き

「五十嵐さん、隣座ってもいいかな?」

「え、え、ど、どうぞっ」



 日野くんの言葉に慌てながら、私は詰めて座り直す。彼は「ありがと」と大層甘い声で私の隣に座った。声もかっこいいなんて言われてたけど、確かに低すぎず高すぎない、いい声をしている。



 何なんだろう。私に用事があるのかな。提出物が出てなかったとか? 日野くんって委員会とか係何に入ってたっけ……? あれこれ原因を考えても何も浮かんでこない。私はそもそも彼の情報が少ない。恐る恐る様子を窺うと、彼は私に真剣な目を向けた。



「あのさ、五十嵐さんの時間、俺に売ってくれない?」

「へ」

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