イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。
『……七瀬様、申し訳ないのですが……』
執事、小野寺がなにかを言おうとした。
だけれど、次第に言うのをやめてしまった。
『……くるちゃん遅いなぁ……』
着いたからもう1時間も経ってしまっていたらしい。
『……』
当時の俺は、初めて頬が濡れた。
『なにこれ……』
目から水が勝手に出てくる。
『な、七瀬様……』
『……ぅっ……』
次第に俺はうつ伏せて、水、涙がもっと溢れた。
裏切られたのだろうか。こんなに楽しみにして、人を信じられたのも初めてで、泣いたのも初めてで、全部が全部溢れて……でも、聞こえてくるのは始まってしまった花火の音と、コツコツとヒールの音。
『——ちゃん……ななちゃん!!!』
その声にはすぐ反応して、顔を上げて見えたのは、ドレスをきて、後ろには花火が上がっている、まるで舞踏家から逃げてきたシンデレラのような、くるちゃんがいた。
『くるちゃ——』
正面から思い切りギュッと抱きつかれる。
『ごめんね!!!なんか、パーティーの予定が急遽入っちゃって……』
『……ううん』
くるちゃんは嘘をついているようには見えないし、ドレスの裾は少し汚れていて、いまにも折れてしまいそうな細い足も、砂埃が付いていた。
執事、小野寺がなにかを言おうとした。
だけれど、次第に言うのをやめてしまった。
『……くるちゃん遅いなぁ……』
着いたからもう1時間も経ってしまっていたらしい。
『……』
当時の俺は、初めて頬が濡れた。
『なにこれ……』
目から水が勝手に出てくる。
『な、七瀬様……』
『……ぅっ……』
次第に俺はうつ伏せて、水、涙がもっと溢れた。
裏切られたのだろうか。こんなに楽しみにして、人を信じられたのも初めてで、泣いたのも初めてで、全部が全部溢れて……でも、聞こえてくるのは始まってしまった花火の音と、コツコツとヒールの音。
『——ちゃん……ななちゃん!!!』
その声にはすぐ反応して、顔を上げて見えたのは、ドレスをきて、後ろには花火が上がっている、まるで舞踏家から逃げてきたシンデレラのような、くるちゃんがいた。
『くるちゃ——』
正面から思い切りギュッと抱きつかれる。
『ごめんね!!!なんか、パーティーの予定が急遽入っちゃって……』
『……ううん』
くるちゃんは嘘をついているようには見えないし、ドレスの裾は少し汚れていて、いまにも折れてしまいそうな細い足も、砂埃が付いていた。