イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。
「これなんですが……」

「っ……!」

 見せられたのは、一枚の写真だった。

「えっ……」

 それは、ななちゃんが、私が知らない女の人とキスをしているところだった。

「すみません……だめだとは思ったんですけど、つい写真を撮ってしまい……」

「いいえ、なんにも悪くないですよ!」

 そう言って、微笑みかける。

 ああなにしてんだ私は。

 こんな状況、私なら信じない。信じないのに。ちがうってわかってる。

 全部わかるんだ。

 お金持ちに生まれたのはななちゃんだけじゃない、私もおんなじだった偽りで媚を売る人なんて数え切れないほどいた。

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