イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。
「ん?だから、アイドルをやめようと思ってる」

「はぁ!?ちょっと、待てよ!!」

「静かにしろ怜都」

 俺が引退したところで、特になにも変わらないだろ……。

「僕やだよ!?七瀬がいなくなるの!!」

「奏多……」

 奏多が目を潤ませる。

 コイツが、泣きそうになるなんて……。

「僕、貧乏だし、顔面でいじめられたり、このショタボのせいでいじられたりして、いやだったけど、七瀬が中学で誘ってくれて、そのおかげで、とってもいま楽しいの……」

「俺もだよナナチャン。お前のおかげで、いますっごく楽しい」

 祐海まで……。

「っつったってくるちゃんだって危ないし」

「たしかにくるちゃんのことはとっても大事なこと知ってるけどさ、僕も、お前のことはっきりいって嫌いだけど、いなくなるのはやだよ」

「誉、お前喧嘩するか?」

「おいやめろ」

 そう言って広が止めに入る。

 ……なんだかんだ、俺も、やっぱりやめたくない、かも、しれない……。

「……ななちゃん、アイドルやめちゃうの……?」

「……っ!くるちゃんっ……?」

 目を擦りながら俺の方にテクテク歩いてくるくるちゃん。

 そのまま俺の膝に乗ってきて、ぎゅっと抱きついてくる。

 なんでそんなに可愛いの?

「やめないで……私、アイドルのキラキラななちゃん、大好きなんだよ……?」

「……じゃあ、やめないね」

 そう言ってくるちゃんの額に口付けた。

「は?ちょっと待って?なんで僕があんなに言ったのに、胡桃ちゃんのその一言で変わるの?」

「え、だって俺の全てはくるちゃんだから。くるちゃんが人殺せって言ったら喜んでやるし、死ねって言われたら喜んで死ねるよ?」

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