イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。
「じゃあ、お熱なかったらななちゃんも一緒にお話ししよう?」

「うんっ……するっ……」

 そう言ってくるちゃんから体温計を受け取り熱を測ると、36.6°と平熱に戻っていた。

「ふふっ、じゃあみんなでお話ししよっか」

「うん!」

 本当は李津はいらないけれど。

 あと、李津は以前くるちゃんに振られていたと思うのだけれどまだ諦めてないのかなぁ……?

「くるちゃんは、りーくんのこと、好き……?」

そう言いながらくるちゃんの両頬に手を当てる。

「好きだよ」

「……恋愛感情として?……」

「ううん。私が恋愛感情とした好きなのは、ななちゃんだけだよ……?」

 くるちゃんは本当に真剣にそう言ってくれた。

 その喋り方で僕の心は少しずつ落ち着いていった。

「うう……僕もだよ」

 そう言って今度はくるちゃんを強くぎゅっと抱きしめた。

「……イチャイチャしてるとこ悪いけど、くる、早く話したいよ」

「あっ……ごめんごめん、よし、ななちゃん一緒に行こう」

「うん……」

 立ち上がったくるちゃんについて行きリビングのソファに座った。

「くるは、最近ハマってるものとかある?」

「うーん……あっ、でも、ななちゃんの歌にはハマってるかなぁ」

 僕の機嫌がよくないことを察したのかそう言ったくるちゃん。

「えへへっ……嬉しい……」

「ふふっ、喜んでくれて私も嬉しいよ」

 くるちゃんはそう言って優しく頬笑んでくれる。

 そして李津は嫌そうな顔をあからさまにする。

 ……くるちゃんは、僕のだってわからせないと。

 そう思いくるちゃんを抱き上げて自分の膝の上へと座らせた。

「っ……!?な、ななちゃんっ……!?」

「李津、これ、僕の……だからとりゅなっ……」

「あはは、七瀬は面白いなぁ」

 李津はそう言いながら上品に笑うけど、とっても腹黒いことを僕はちゃんと知ってる。

 コイツは僕同様くるちゃんをいじめたりするヤツは、僕が消したあとにさらにトドメをさしていたから。

 本当は気が合うのだろうけれど、そのせいでくるちゃん争奪戦になるのは嫌だ。

 くるちゃんが李津の物になったらって考えるだけで気が狂ってしまいそうになる。

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