イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。
「あはは。ありがとう」

「……りーくん、なんだか雰囲気変わった?」

「ん?そんなことないと思うけど」

「くるちゃんっ……コイツからは腹黒のオーラを感じるっ……怖いよぉ……」

 そう言ってくるちゃんの首筋に顔を埋めた。

「ええっ……りーくんとっても優しくにこにこって笑ってるよ?」

 くるちゃんはそう言いながら李津の方を見ながらにっこりと微笑んだ。

 僕には李津の笑みが、僕のくるにこれ以上抱きついたらぶっ●す。

 って言っているようにしか見えないんだけれど……。

「くるちゃん、おかしいよっ……!くるちゃんのお目々、コイツの変なオーラのせいでおかしくなっちゃったの……?」

 僕、とってもとっても心配だよっ……!

「もーななちゃんは大袈裟だなぁ。」

「そうだよ。ってか腹黒なのは七瀬でしょ?」

「李津が言うのはおかしいと思うけど?」

 たしかに、僕も、腹黒、なんだろうけど……。

 でも、李津もおんなじぐらい腹黒だもん。

「腹黒なこと自覚できないとかおバカだね。それでも一族を背負ってく器なわけ?」

「あはは。なに?地雷踏んでくるの?」

「あ!地雷だったんだぁ〜ごめんねぇ〜」

「ふふっ、七瀬は面白いこと言うね。でも七瀬なんて次男なんだから時期天海家当主になる権利すらないんじゃないの?」

 ドンドンと胸の奥でモヤモヤが大きくなってきた。

「ちょっと!!りーくんもななちゃんもやめなさい!ふたりとも器だとかなんだとか知らないけどそんなくだらないことで喧嘩しないの!」

「くるちゃんっ……。」

 ……ていうか僕は婿入りすることになっちゃってるらしいから、どちらにしようと有栖家当主になっちゃうんだよね。

「……そういえば、天海家って、ももちゃんが継ぐんじゃなかったっけ……?」

「え?そうなの?」

 僕、そんなの知らない。

「え、知らないの!?」

「し、知らないよ……!?」

 初耳なんですけど……。

「私のパパが、婿入りするならって私とななちゃん婚約して、ようちゃんは海外に行ってやりたい仕事があるから、最終的に継ぐのは桃瀬くんだってなったってようちゃんが言ってたよ?」

「いつ?」

「えっと……たしか中学1年生ぐらいの頃だったかなぁ」

 葉瀬、そんなこと言ってたのか……。

 しかも、13歳の女の子に……。

「ん……?つまり、天海家は桃瀬が継ぐ……?」

「うん?」

「あのバカの桃瀬が!?」

 全くとして勉強できない、ふわふわしててなんか変なことする桃瀬がっ……。


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