イケメンなアイドル幼なじみと、甘々な同居生活365日。
 そして、言われるがままに写真をたくさん撮られ……。

「じゃあ、行ってくるね」

 額にキスをして、ドーナツを買いに行ってしまった。

「いってらっしゃいっ……!」

「取ったらだめだからね」

「わ、わかったから、早く行ってこいっ……!」

「はいはい」

 そして、ななちゃんがドーナツを買いに行って数分後。

ピーンポーン。

 !ななちゃん、帰ってきたのかなっ?

ガチャンッ。

 勢いよくドアを開けて、ななちゃんに抱きつく。

「おっと……大胆だね」

「へっ?」

 そこで聞こえたのは、ななちゃんとはちがうイケボ。

「ひっ……!ご、ごめんなさいっ……!な、なんでっ……?」

 ななちゃんとおんなじアイドルグループのっ……。

「braveのっ、怜都さんでしゅかっ……?」

 braveとは、ななちゃん所属のアイドルグループだ。

「え!知ってんの?こんな可愛い子が!?やばめちゃ嬉しーワンチャンリスナー?」

「え、えっと……」

「ちがうだろ、きっと七瀬の婚約者の」

「あ、はいっ……!ななちゃんの婚約者の、有栖胡桃って言いましゅっ……!」

 パーカーの裾をギュッと握ってそう言う。

 braveの人たちは、たしか7人グループで……。みんなカッコいいなぁ。

「やっば……可愛すぎ」

「……あのさ、気になってたんだけど、キミ、その格好……」

「へっ!?きゃぁっ……!」

 わ、私……!猫の変装させられたままだったっ……!

「……くるちゃーん!ドーナツ買ってきた」

「え?おい聞いたから七瀬あんな甘い声出せんだな」

「やば、引くわ」

「くるちゃんこんなゴミどもとなに話してんの?可愛い格好が台無しだなぁ。ほぉら、おうち入ってドーナツ食べようね」

「ええっ……!う、うん……あの、変装取らせてくれない?」

「え?だめ。俺の眼福だから」

「いや、でもっ……」

「じゃあ俺たちはお邪魔しまーす」

 すると、braveの人たちがおうちの中に入ってきて。

 手を洗って、ソファに座ってくつろいでいた。

「ねぇ?それ、七瀬の趣味?」

「へっ?あ、え、えっと……」

 怜都さんにそう言われて、ピクッてなって。

「そうだけどなんか文句ある?」

「お前やばいね」

「別に。ってか、自己紹介でもすれば?」

「あ、そうだね。俺は朝比奈怜都、七瀬と同い年〜よろしく」

「俺は結崎広(ユウズキヒロ)」

「僕は可愛い担当〜夏芽屋奏多(カガヤカナタ)だよぉ〜!」

「僕は天然担当〜豪炎寺誉。」

「俺は如月祐海(ユウカイ)だよ〜」

「二葉夏弥」

 み、みんなカッコいいお名前っ……。

「よ、よろしくお願いしましゅっ……」

「もちろんくるちゃんの推しは俺だから。口説かないで」

「わかってるって。それに、ここには女嫌いが2人いんだから、そんなことしないよリーダー」

「うるせぇ」

 そ、そっか、ななちゃんこんなんだけどリーダーなんだっ……!

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